2007年ウィリアム・クムワンバ(当時20歳)が、
科学者や哲学者がひしめくTEDに招かれてプレゼンを行った。
クムワンバはアフリカ南東部にあるマラウイ共和国出身。
アメリカの知識人を前に次のように語った。
飢饉で両親は年間$80(7〜8千円)が払えず、
中学校に行けなくなった。
でも科学が好きで、図書館のアメリカの教科書で勉強した。
14歳の時、風車のことを知り、風力発電で電気を起こそうと思った。
頭がおかしくなったと言われたり、マリファナを吸引しているのではないかと噂になった。
でも風車を作り、電球に灯が点ると、家の前に行列ができた。
そのうち取材が来て、科学者もやってきた。
そして初めて飛行機に乗ってアメリカに来た。
初めて見るホテルというものに泊まった。
誰かが風力発電を作ったなら、自分にもできるはず。
そう思って挑戦した。
そしてできた。
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100軒に2軒しか電気のないマシタラ村からやって来て、
こんなにたくさんの白人を初めて見て、真っ白になりつつ、
つたない英語で一生懸命に語った。
これが7年前。
現在27歳の彼は、アメリカのダートマス大学で、
科学と環境学を学んでいる。
彼が14歳の時、風車を作る時に参考にしたアメリカの教科書は、
小学4年生向けの教科書。
「学ぶ」とはどういうことか。
「貧しい」とはどういうことか。
と考えさせられます。
僕は本当に何かを学んだのだろうか。
真の「豊か」とは何なのだろうか。
と考えてしまいます。
当時のことを振り返って、2009年、再びTEDの舞台に
立った彼はプレゼンをこう締めくくった。
「夢を追えないアフリカの人や、貧しい人に、
どうか、神のご加護がありますように。
そして、いつかネットでこのプレゼンを見るであろう
彼らに伝えたい。
自分をしっかり持って、そして、何があっても諦めないで。」
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