2013年4月4日木曜日

春の歌


春ですねぇ〜
 
春になると大学に入学した春を思い出す。
 
さて、どの科目を履修しようか、とワクワクしていた時、
「国文学」に目が留まった。これなら単位獲得は簡単。
 
 
早速、履修届け前のデモ講義に参加。
国文学の教授は講義の始めに、
 
「この科目は面白くない上に、私は嫌な奴で、
 簡単に単位は取らせません。出席率を重視します。
 遅刻は1分も認めません。出席カードは毎回色を変え、
 人数分しか配りません。筆跡もチェックします。
 あらゆる手で君たちを篩いにかけます。」
 
そして
「駄目だと思う者、大丈夫か心配な者は
 今すぐ退席するように。」
 
と言い放った。
 
少なくない数の学生が退席したが、僕は何故か席に残った。
 
教授は、1年間を通し、竹取物語と和歌・短歌の
講義をする、と簡単にスケジュールを説明した。
 
そして
 
「履修届けを出さない者も含め、今日、
 私の講義を我慢した君たちに、折角ですから
 短歌をひとつお教えいたします」
 
と言って、黒板に下の歌を書いた。
 
 




(縦書きにできないので自筆で)
字が汚いので自慢がてらモンブランにピント。
 




 
この歌のヨミ
「コノハナノ ヒトヨノウチニ モモクサノ 
 コトゾカクレル オロソカニスナ」
 
この歌の意味
「ひとひらひとひらに百の言葉を込めて
 あなたにこの花を贈ります
 どうかおろそかにしないで下さい」
 
 
 
教授は講義を
 
「この歌は今から千年以上前に詠まれた歌です。
 千年前の人たちはロマンチストですね。」
 
と言って締めくくった。
 
 
 
 
 
講義を終え外に出ると、桜が夜風に揺れていた。
 
歌の中に出てくる花は、桜だと後から知った。





そして、この歌を詠んだのは
藤原広嗣(フジワラノ ヒロツグ)






皆さま、引き続き良い春をお過ごし下さいね。
ぜひ〜!





 

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