2023年8月15日火曜日

3418名と残された知的挑戦


ミッドウェー海戦について怒りをもって調査をした
澤地久枝という女性のドキュメンタリーを見た。

先の大戦で日本が敗戦に向うターニングポイントに
なった戦いと言われるミッドウェー海戦。こんなに
有名な戦いなのに、犠牲者の名前も数もハッキリしない
という事に憤り、彼女は1人で調べに調べ3418名と
いう数を割り出していった。(アメリカ側の研究者も
この数が妥当だろうと結論付けている)

それだけでなく、一人一人がどのような人間だったか、
生き残った乗組員や遺族に聞き、後世に残そうという
努力をする。

「人間は2度死ぬ。1度目は心臓が止まった時、
 2度目は世の中から忘れられた時」

澤地女史は「ミッドウェーに散った命を2度殺してなる
ものか」と名前を突き止め人柄を遺族に聞いて回った。

ミッドウェー沖で亡くなったという事を今回初めて知っ
た遺族が、ミッドウェーへ行き献花をする旅がドキュメ
ンタリー内にあった。兄を亡くしたという女性が海に
糸を付けた瓶を投げ込んで引上げた。中に海水を入れて
蓋をした姿が映っていた。
「遺体がないならせめて兄が亡くなったその海の水を」
という想いだったのだろう。

澤地さんの「ミッドウェーで亡くなったのは、一人
一人名前があり家族や友人に愛された若者なのだ!」と
いう思いが伝わった。

澤地さんはアメリカ側の犠牲者も割り出し、遺族や
ミッドウェー海戦の関係者に会った。
その中の1人、軍艦の生き残りアーノルド・トゥルーと
いう人の言葉でこのブログを締めくくろうと思います。

澤地さんが会いに行った時にはアーノルド・トゥルー
は既に亡くなっていた。軍艦ハマンの艦長をしていた
彼も多くの若い乗組員を失っていた。彼はまだ日本と
の戦争のさなかに、次の様な記事を政治新聞に寄稿し
ている。注目なのは戦中にこれを公表している点。





私たちは日々、戦争に明け暮れている。
それは、生き残りをかけた単純な戦いだ。
しかし、もう一つ難しい戦いがある。

それは敵を友人にするための戦いで、
こちらは頭脳が必要だ。

この戦いに負ければ私たちは未来を失ってしまう。






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